鮮やかな肉

「鮮やかな肉」

秋風が身に沁みる そんな季節になって
男の身体は 崩れ始めた その肉が 壊れ始めた
その肉 その肉汁 男の生き様示してた
鮮やに黄色く光るその脂 震える生きた臓物
滴り落ちる粘つく汁が 腹の中から溢れ出す
そう、この生々しさが、男の生き様示してた
見事に掻き切った腹から、流れ出る肉汁
垣間見える黄色い脂 飛び出して動き出す臓物
ああ、俺は、生きていたんだ
ああ、確かに、「生きて」「いたんだ」
毒毒と流れ出す、赤い血
ああ、俺は、こんなにも、こんなにも、生きていたんだ
今、今、知ったよ・・・
す・ま・な・い・・・

「秋風の寂しさが 好きなの」
そんな季節になって
男を失った 女
笑う女の身体は 疼き始めた その肉が 熟れ始めた

            copyright@Toyo.K.2003.10.26.



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